当院について

熊本地域医療センターだより

シリーズ企画「友達の輪~Relayトーク」第37回

山本 浩一朗
大和クリニック
山本 浩一朗 先生

新たな挑戦

 坂本先生よりバトンを受けました、大和クリニックの山本と申します。坂本先生は循環器内科の先輩であり、循環器開業医勉強会の共同主催者、飲み仲間でもあります。 私が循環器内科に入局して2年目に内科研修医として熊本地域医療センターに勤務しました。呼吸器疾患や消化器疾患中心に多くの患者さんを受け持ちました。循環器内科では悪性腫瘍を診る機会はほとんどありませんので、終末期の患者さんに接することは、私にとって非常に貴重な経験となりました。特に印象に残っている症例は、30代女性の肺癌ステージⅣの患者さんです。化学療法を行ったものの、病状は悪化し、数か月で亡くなられました。本人、ご家族に病状や治療について向き合う必要があるときに、千場先生、藤井先生からご助言を頂き、非常に学びの多い経験となりました。その患者さんのお子さんが、当時5歳前後だったので、現在は20歳後半になっており、私も子供を持つ親として「今どうしているんだろう」と折にふれて思い返すことがあります。

 消化器内科では、上部消化管内視鏡を数多く経験させて頂きました。相良先生、明石先生をはじめとする消化器内科の先生方には、優しく御指導頂き、大変感謝しております。 また、循環器内科では、心臓カテーテル検査室の立ち上げ時期と重なり、平井先生、大串先生も忙しくされていました。新しい検査室で、助手として手技に入りましたが、まだ、フレーミングも上手くできないひよっこで、平井先生に迷惑をかけていたことを記憶しています。熊本地域医療センターの研修医時代は、コメディカルの方々も優しく、多くの御指導と出会いに恵まれ、多忙でしたが、その分やりがいと成長を実感できる毎日でした。 私は現在、九品寺で内科、循環器内科、心臓リハビリテーションを行うクリニックを開業しております。クリニックとしては珍しいケースですが、メディカルフィットネスを併設しており、地域住民の皆様や生活習慣病をお持ちの方、心疾患を抱える方々の健康づくりをサポートさせていただいています。また、当施設は健康増進法第42条に基づく指定運動療法施設に指定されている為、生活習慣病や心疾患を持った方の会費は医療費控除対象になり、ご利用の会員の皆様からのご好評をいただいております。

 私は、患者さんに運動を勧めています。自分自身も50歳を超え、体の痛みのため湿布を貼る機会が増えましたが、それでも新しいことに挑戦したいと考え、今年の7月に柔術教室に入会しました。40歳の頃には、一緒に働いた木村先生(えず総合診療所)の勧めでトライアスロンに挑戦し、完走を目標に開業1年目まで大会に参加していました。しかし、クリニック営業時間や新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行もあり、その後は大会に参加していませんでした。その間は、プールに通ったり、当院のフィットネスで有酸素運動や筋力トレーニングを続けていました。今年になり、外来診療で2人の柔術を習っている患者さんとの診察の際に「柔術って楽しいですか?」と尋ねたところ、2人とも「楽しくて夢中になっています」と答えてくれました。その言葉に背中を押され、私も始める決心をしました。私が20代の頃、400戦無敗のヒクソングレーシーの試合をテレビで観戦し、手に汗握るほど興奮したことを今でも覚えています。実際に体験入門をした際は、乱取りのわずか3分間で息が上がり、肩で大きく呼吸するほどでした。これからは、動きの中で、三角締めや腕十字といった技にも挑戦していきたいと考えています。

 また、本業での新しい挑戦は、8月より二本木の山下内科医院を承継しました。山下先生とは、私が熊本大学循環器内科に在籍した時に診察を通じて御縁があり、以来15年ほどのお付き合いがあります。長年にわたり訪問診療など地域に根ざした診療続けられてきた先生を、私は深く尊敬しております。私自身、20代で父を亡くしたこともあり、父と同年代である先生とお酒を酌み交わし、談笑をするひとときは大きな楽しみでもあります。その先生から「閉院を考えている」とのご相談を受け、先生に地域医療を継続してほしい、そのお手伝いをしたいと考え、承継を決意しました。今後は先生と力を合わせ、熊本の地域医療に貢献してまいりたいと考えております。

 次のリレーは南区の「えず総合診療所」の木村浩先生にバトンを渡します。木村先生は、不健康な生活を送っていた私をトライアスロンに誘ってくださり、一緒に大会にも出場した仲間です。また、お酒を飲みながら人生相談にも乗ってくれる、頼りになる先輩です。

 

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