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睡眠時無呼吸症候群外来

いびきがひどくないですか?

夜中に息が止まっていると言われたことはありませんか?車の運転中や会議中に眠気に襲われることはないですか?それは睡眠時無呼吸症候群のサインかもしれません。

睡眠時無呼吸症候群1

睡眠時無呼吸とは、寝ている間に呼吸が止まっていることを言います。もう少し詳しくお話ししますと、寝ている間に10秒以上の呼吸停止あるいは弱い(浅い)呼吸が、1時間あたり5回を超えた状態と定義されています。呼吸が止まっている時間も長い人では1分間を超えている人もいらっしゃいます。また1時間当たりの回数も、ひどい人では60回以上止まっていることもあります。もし仮に1時間に60回止まっているとすれば、1分間に1回呼吸が止まっているということですから、これは大変重症の無呼吸症候群となります。

睡眠時無呼吸症候群を診断するためには、いくつかの方法があります。自覚症状などから無呼吸が疑わしい患者さんには、外来で簡易検査を行います。指に血液中の酸素濃度を測るセンサーをつけて夜間の呼吸状態をチェックします。これは小さく取り付けも簡単な機器なので、ご自宅に持ち帰っていただいて夜寝るときにご自分で装着していただきます。これを翌朝お持ちいただいて解析し、無呼吸がありそうかどうか確認させていただきます。もし簡易検査で無呼吸が疑われる場合は、一泊入院していただき精密検査を行います。『終夜睡眠ポリソムノグラフィー』という検査で、眠っていることを確認するための脳波計や、心臓の状態をチェックするための心電図、鼻には呼吸を感知する気流センサー、胸やお腹に呼吸状態をチェックするベルトなど、種々の検査器具を取り付けてお休みいただきます。これにより眠っている時間帯だけの呼吸状態を把握することができますので、より精密に無呼吸の状態を診断できるのです。

翌朝には簡易的な検査結果をお知らせすることができますが、その後詳しく解析を行いますので、外来でおよそ1~2週間後に正式な検査結果をご説明いたします。

睡眠時無呼吸症候群は大半が睡眠中に気道がふさがって呼吸ができなくなるタイプで、『閉塞型無呼吸』と言います。そのほかにも呼吸を調節している脳の機能が落ちて呼吸が止まってしまう『中枢性無呼吸』というものもあります。夜間に息が止まってしまうと、体に十分に酸素を取り込むことができませんから、体の中の酸素が不足してしまいます。一旦眠ってしまうと、頭では寝ていて記憶がないかもしれませんが、実は体は酸素を取り込もうとしてもがいている状態になります。要は、頭は寝ているつもりでも体はゆっくりと休めていないのです。このために昼間に眠気が来たり、頭痛や肩こりの原因となったりしますし、ひいては高血圧や糖尿病を引き起こし、その結果、心筋梗塞や脳卒中というような恐ろしい病気へと繋がっていくわけです。居眠り運転で交通事故を起こす危険性が高まることもわかっています。

もし無呼吸症候群と診断されたら、治療が必要になることがあります。1時間あたり何回呼吸が止まっているかで、重症度が変わってきますが、この回数によって治療法も変わってきます。~5回睡眠時無呼吸症候群ではありませんので、治療の必要はありません。5回~20回軽度の無呼吸症候群です。生活習慣や体重管理などで経過観察していく場合があります。またご希望があれば、無呼吸を軽くさせるようなマウスピースを作成していただくよう、歯科をご紹介することがあります。

20回~中等症以上の無呼吸症候群です。のどを切開して気道を広げるような外科治療を行うこともありますが、最近では夜寝るときにCPAP(シーパップ)と呼ばれるマスクを装着していただく治療を行うことがほとんどです。マスクはベルトで鼻あるいは鼻と口に密着させます。このマスクには蛇腹のホースが付いていて、機械本体に接続すると強い風が流れてきます。この風の力で気道がふさがるのを防止し、呼吸が止まりにくくなります。この治療はあくまで無呼吸になるのを防止しているだけなので、気長に付き合っていく必要があります。

睡眠時無呼吸症候群は太っている人だけの病気ではありません。痩せている人でも意外に多いのが実情です。昼間の眠気が強い人、頭痛や肩こりに悩まされている人、高血圧や糖尿病、心臓病などで治療を受けている人、また、いびきがひどい、呼吸が止まっていると言われたことのある人などは、まずは外来での簡易検査をお勧めします。

注意)当院は紹介型の病院です。
検査を希望される場合は、まずはかかりつけ医の先生に相談して、紹介状(診療情報提供書)をもらってきてください。
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