腹腔鏡手術センターは2013年5月に設立いたしました。ストルツ社、オリンパス社の高画質内視鏡システム(4K) を導入しております。また2020年度および2023年度に一台ずつICG 蛍光ナビゲーションが可能なビデオシステムを導入しました。近年、腹腔鏡下手術の症例数は増加しており、多くの疾患で標準的治療となっています。
当センターでは多くの臓器の手術を腹腔鏡下あるいは腹腔鏡補助下で行っております。適応疾患は食道疾患、胃癌、胃GIST、大腸癌、大腸憩室症、胆嚢結石、胆嚢ポリープ、ヘルニア(鼠径ヘルニア、腹壁瘢痕ヘルニア、閉鎖孔ヘルニア陥頓など)、虫垂炎、腸閉塞、膵良性腫瘍、膵癌などです。腹腔鏡手術の適応を徐々に拡大し、増加傾向です(各臓器の腹腔鏡手術症例数年次別推移のグラフをご参照ください)。
腹腔鏡手術は開腹手術に比べて、低侵襲、出血が少ない、疼痛が少ない、回復が早い、入院日数が短い、社会復帰が早い、整容性が良いなどの利点があります。また癌の手術においても、しっかりした適応を設定して行った場合、生存率などの長期成績において開腹術と比べて遜色がないといわれています。また拡大視効果により肉眼で見るよりも、微細な解剖が見え易く、より正確な手術が可能となり得ます。最近は徐々に社会的認知度が高くなり、患者のニーズが増えてきているといえます。
当センターでは今後も積極的に腹腔鏡手術を行って参りたいと思います。
図は各手術の年間件数の推移です。