内視鏡検査部門は、消化器内科医師、呼吸器内科医師、内視鏡検査技師、看護部、医療事務部で構成されており、消化管、胆管、膵管、気管支に対する内視鏡診断および治療を行っている部門です。今まで約30万例の検査を行っています。今後も安心、安全な内視鏡検査を提供できるよう「チーム内視鏡」として意識を高め、研鑽を重ね、医療安全に心掛けながら、よりよい検査を提供していく所存です。
開院当初より24時間体制で緊急内視鏡を施行しており、消化器疾患では消化管出血・閉塞性黄疸・大腸閉塞・異物他、また呼吸器疾患では癌性気道狭窄・喀血他などに対し、夜間・休日含めて担当医と内視鏡技師とのオンコール体制にて365日検査対応可能としています。
開院当初から、種々の内視鏡的外科治療手術を積極的に行っており、消化器内科では粘膜早期癌に対し、食道を含む上部・下部消化管ESD(endoscopicsubmucosaldissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)を積極的に施行しています。またメタリックステントによる拡張術・胃瘻造設に至るまで。さらに胆膵系のERCP(内視鏡的膵胆管造影法)においては、EST(内視鏡的乳頭切開術)から胆膵領域における種々のドレナージ(内瘻・外瘻法含む)法まで、常に最新の治療や検査を提供し続けています。呼吸器内科では、癌性気道狭窄に対するマイクロ波凝固療法やメタリックステント留置術、難治性肺瘻などに対するシリコン栓子充填術などのインターベンションを行っており、2015年から、熊本県下では初の18歳以上の重症喘息の患者に対しての新しい治療として、気管支熱形成術(気管支サーモプラスティー)を行っています。
今日の内視鏡検査は、通常のハイビジョンスコープ機能によるNBI(narrowbandimaging:狭帯域光観察)だけでなく、内視鏡次世代機の導入により、さらに精密な画像診断ができるようになりました。また超音波内視鏡の発達と共に、胆膵を含む消化管超音波検査から、EUS-FNA(EUS-fineneedleaspiration:超音波内視鏡下穿刺吸引生検法)まで行っています。また呼吸器においても局所麻酔下胸腔鏡や超音波気管支鏡の導入により、肺門や縦隔リンパ節の針生検(EBUS-TBNA)までも可能となりました。また、新たにガイドシース併用気管支超音波断層法(EBUS-GS)を導入し、肺末梢病変に対してのアプローチが幾度も可能となり正診率向上も期待されます。これらを含めより機能、性能を高めた内視鏡検査を「チーム内視鏡」として常に目指しています。熊本地域医療センター開設と共に歩み、常に先端を取り組みリードし続けている内視鏡室を今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。
内視鏡機器の発展と発達は日進月歩であり、それに伴い種々の機器管理が重要となってきています。特にII治療内視鏡検査で述べましたように、高度な検査、治療が行われており、よって綿密な機器、処置具の保守点検、管理が求められております。新たな体制として2015年から臨床工学技士の資格を有した内視鏡技師も加え、より安全な管理体制のもとに内視鏡業務が遂行できるものと確信しているところです。
日本消化器内視鏡学会指導施設
日本呼吸器内視鏡学会認定施設