当院について

熊本地域医療センターだより

シリーズ企画「友達の輪~Relayトーク」第22弾

伊藤 清治
いとう内科クリニック
伊藤 清治 先生

川尻尾﨑内科の尾﨑徹先生よりご紹介頂きました、いとう内科クリニックの伊藤と申します。
 昨年の7月に北区で開業致しましたが、勤務としては本当に久しぶりの熊本市です。
 この地域医療センターにも以前勤務させて頂いており、その際は相良元院長はじめ、諸先生方に大変お世話になっておりました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。
 有難い事にその当時に在籍されていた先生方とは、現在も交流が続いており、紹介頂いた尾﨑徹先生や、国府で開業された田中朋史先生とは特に親しくさせて頂いております。
 地域医療センターには今回の開業前より併設の検査センターに色々と助けて頂いてますし、診療開始後も、一時期はかなり遠いイメージがありましたが、実は北区の患者さん達も認知度高く、度々お世話になっています。当日紹介すべきか悩ましい患者さんも、敷居低く対応して下さり有難さが日増しに高まっています。
 出動協力医として時々、お邪魔させて頂いておりますが、これからも継続して参りたいと思います。
 さて、自分の人生の、多分一番の転換点となるであろう今回の開業について述べたいと思います。これまで消化器内科として勤務しておりましたが、元々家庭医志望にてその当時、自分の理想に近い診療をなさってる尾崎建先生のもと、10年以上研鑽して参り非常に多くの事をご指導頂きました。
 しかし、診療のみに専念できる環境は大変有難かったのですが、年とともに逆にこのまま甘え続けて良いのかとの思いもあり、医者人生の最後は、勤務医では経験できない様々な事を経験し、冒険しようと、思い切って50歳半ばでの開業の選択を致しました。
 どうせやるならと、全く縁のないところでの落下傘開業を致しましたが予想よりずっとずっと大変でした(もちろん現在も)。
 開業に至るまで、そして開業後の様々な事が全くこれまでタッチしてなかった事ばかりで、いかに自分が医療以外を知らなかった事、改めて痛感しました。
 また落下傘開業は内科は3年我慢しろと言われておりましたが、「えっ、そんなに?」と実は思ってました。しかし開業当初、本当に一日5人以下という日々が続き、すぐにその意味を理解しました。これで発熱外来がなかったらと思うとぞっとします。これまで周りの方々が開業なさってもあまりその大変さをピンと来てませんでしたが、今は実感持ってその大変さが分かるようになりました。その当時に理解していなかった自分が恥ずかしい限りです。
 この3月で開業9か月目に入りましたが、その中で、妻と一緒に開業した事でクリニックとしての幅が出来たのは幸いでしたし、スタッフが、患者が少ない中で、常に工夫をし続けてくれてる事、本当に感謝に堪えません。
 まあ、借金まみれで、これからも色んな苦労があるかも知れませんが、自分のやりたい診療へ向かっての夢だけはあります。
 次回の友達の輪は今回の開業の準備の際に、一番お世話になったよしむらクリニック内科・糖尿病内科の吉村良平先生にお願いしました。実は小学校からの腐れ縁で、この開業は彼の協力が無ければ考えられない位に尽力してもらいました。どうぞ宜しくお願いします。

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