皆様こんにちは。熊本市医師会執行部でともに働いた宮本大典先生からバトンを渡されました豊田です。当院は1982年5月に父が江津湖の畔で開業し、熊本市医師会執行部の仕事が忙しくなった父の跡を継ぐ形で、1999年5月に私が自院の院長となりました。
医師会病院との最初の関りは出動協力医で、熊本大学病院(第一外科)外来勤務の時からでした。深夜帯の当直が終わるとそのまま動物舎へ移動し実験ができ、距離も近く便利であると思ったものでした。
開業後は外科だけでなく内科、整形など多岐にわたって診療をしなければなりません。外科畑を歩いてきた自分は、他科にコンサルトで聞きかじったような知識こそあれ、臨床で使えるレベルではありませんでした。また基幹病院への紹介は診断が確定してからでないと紹介しておらず、なんとなく敷居が高い感じでした。そんな折、当時外科の田中洋先生(1外科の後輩)から「先生、送ってくれれば診ますよ。必要と思ったら国立(現熊本医療センター)に送りますが、よかですか?」と声をかけてくれ気軽に紹介できました。我々開業医には、顔が見える医師会病院はありがたい存在です。先生方も勤務医名簿をご覧になっていただき、同門・同窓の先生などおられましたら声をかけてみられてはいかがでしょうか。
さて話は変わりますが、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)をご存知でしょうか。膵臓内に発生する嚢胞性病変で内部に粘液を含み、がん化するリスクを持っています。当院は上下の内視鏡やエコーを中心とした検査を行なっており、時折膵臓内の嚢胞性病変を認めることがあります。その際は元院長の廣田先生が膵臓のスペシャリストですので、紹介しFollow up をお願いしております。
ここで膵癌の話になりますが、非常に予後不良な疾患であることはご存知だと思います。しかし、医師会病院では病巣を触らずに切除する手術術式:notouchpancreatectomy を開発し実践しておられます。(ここからはホームページからの引用ですが)2008年以降10年間で160例の膵癌手術を施行し、根治手術ができた場合(根治手術R0 施行率 84.7%)の5年生存率41% と良好な成績を上げています。
先生方で膵臓疾患を疑う症例がございましたら紹介されてみてはいかがでしょうか。検査予約は専用回線がありますし、何科に紹介するか迷った場合は師長レベルを経験した"ベテラン" 看護師への専用回線(森都医報に載っています)があります。おやっ? と思ったら電話されてみては如何でしょうか。
さて、次にバトンをすえふじ医院で循環器科をされている末藤久和先生にお渡しします。先生は東2部若手の会「江美里会」で酒を酌み交わす仲で、医師会忘年会の出し物の敏腕プロデューサーです。