当院について

熊本地域医療センターだより

シリーズ企画「友達の輪~Relayトーク」第8弾

玉野井 優水
たまのい内科クリニック
玉野井 優水 先生

開業後26年間の思い

水前寺内科循環器科の山口英治先生からのバトンを頂きました。山口先生とは、30年以上前の勤務先病院にて、同年代の多くの先生方とともに、臨床に励んだ経緯がございます。その後も家族ぐるみのお付き合いを頂き、現在に至っております。

私は現在、南区城南町にて内科クリニックを営んでおり、呼吸器疾患を専門領域として診療しております。城南町および富合町の医師はこの4月までは下益城郡医師会に所属しておりましたが、この8月から熊本市医師会に所属、「富合城南部」として新しくスタートすることとなりました。慣れない点が多々あり、諸先生方には、これからお世話になる機会が多くあるものと思われます。どうぞよろしくお願いいたします。

熊本地域医療センターの先生方には、ずっと以前から現在に至るまで、大変お世話になっています。二十六、七年前のことになりますが、千場博先生には、私が当時勤務していた病院へお出で頂きまして、進行肺がんに起因する癌性気道狭窄を有する患者さんへの EMS(expandable metallic stent)留置治療を、数度に渡り行なって頂きました。千場先生の御指導のおかげで、その後は私たちの施設でも、癌の直接浸潤あるいは壁外性圧排による気道狭窄例に対するステント治療を行なうことができるようになりました。差し迫った気道閉塞の危険性を回避、QOL の改善を図るための選択肢であり、振り返ってみますと、この頃が癌性気道狭窄に対するステント治療の黎明期であったようです。しばらく経ちますと、製品化されたステントが幾種類も市場に出回るようになり、さらに治療の選択肢が増えていくこととなります。千場先生には本当にお世話になりました。

地域医療センター休日夜間出動協力医の担当日が、11月には巡ってきます。初めての担当日。何となく緊張感も出てきているようで、悪くはありません。どこまでお役に立てるかは分からず、不安といえばそのことに尽きるでしょうか。日常診療の場でも、救急対応を迫られる機会は案外と多いものですが、大きな病院での救急担当となりますと、開院する前まで勤務していた熊本市民病院での救急当直以来のことです。俺が代わりに行くよ、と息子が心配そうに言うけれど、大丈夫、もう一度知識の整理をしてその日に臨むから、と心の中で答えています。そんなこんなで日々は過ぎています。

熊本市医師会理事会の場での真摯な議論の中に、自然、背筋が伸びてきます。地域医療センターが、いかに大事な病院であるかも、会議に参加する中で改めて良く分かりました。

趣味といえば、読書くらいのものです。大抵は仕事ばかりしています。時間を見つけては、上通並木坂にある馴染みの古書店に立ち寄り、気に入った本を選んでは購入。中村汀女さんの句集や安永蕗子さんを始めとする歌人たちの歌集、時々は掛け軸等々、およそ断捨離とは無縁の世界。いつの間にか、クリニックの狭い資料室は書籍で溢れかえっています。

学生時代は空手道部に所属、思い描いていた学生生活とは随分かけ離れた学生生活となってしまいましたが、多くの先輩・後輩との素敵な出会いを提供してくれたことに今でも感謝しています。爾来、空手の魅力にとりつかれたままなので、今でも時々は型の練習などもやりますが、こればかりは思うような体さばきは出来ません。少し欲を出して練習しようものなら、股関節あたりが軋んできてどうにも良くありません。ホテル日航が建っている場所には、以前は「振武館」という、趣のある道場がその一角に建っていました。その振武館に通っては、師範のもとで空手の練習に励んでいたのですが、そんな若かった日のことなども時には思い出しながら、今は年齢相応の練習にとどめています。紙面もつきますので、ここで、次の先生にバトンをお渡し致します。竹下内科医院(中央区大江)院長 竹下政一先生に次回、お願い致しました。先生とは学生時代の同級であり、同じポリクリ班にて切磋琢磨した仲です。

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