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熊本地域医療センターだより

シリーズ企画「友達の輪~Relayトーク」第7弾

山口 英治
水前寺内科循環器科
山口 英治 先生

開業後26年間の思い

医師会員の皆様こんにちは。私は水前寺で内科・循環器科を開業しております山口英治と申します。熊大代謝内科の同門であります武藤眼科・大久保内科の大久保康生先生よりご指名がありましたので、Relay トークさせて頂き、私の最近までの雑感を書こうと思います。

私は、父の後を継ぎ平成6年に開業しましたが、早いもので26年たってしまいました。その間、看護学校の講師、広報委員会、病院運営委員会等々、医師会や地域医療センターといろいろ関わらせて頂きました。また、地域医療センターは主に CT や MRI の検査、糖尿病関係でお世話になっておりますが、本当に有り難く思っております。CT や MRI は DVD の他に丁寧な読影所見を添付して下さり、患者さんへの説明におおいに役立っております。また、糖尿病は食事療法と運動療法とはいいますが、あまりに血糖コントロールが悪い人は、運動療法はかえって逆効果で、入院の上、食事療法とインスリン療法を行う方が糖毒性の悪循環を断ち切り、良い結果を生む事が出来ます。そのような際に地域医療センター代謝内科を利用させて頂いております。本当に感謝申し上げます。

さて26年間を振り返ってみたいと思います。私の開業理由が父の病気の為で、機が熟してもない時期に、何の理念ももたず、開業したものですから、何か医院経営の武器になるものをと CT を導入した事を覚えています。当然、ずっと前から使用しておりませんが、ペイするはずなどありません。今にして思うと、最初から、地域医療センターの CT を利用させてもらっていれば、現在の熊本地震借金、コロナ借金はなかったかもと思っています。そのように最初の出足は医者らしからぬ恥ずかしいものでしたが、現在は、子供の医学部入学を機にもう一度解剖、生理、分子生物学等の基礎を勉強し直した事で少しはまともになったと思っております。現在社会はネットと切り離せないものになっていますが、いちいち教科書を紐解かなくても、ヌクレオチドの構造、線溶凝固系や解糖系の pathway、アラキドン酸からプロスタグランジン、何何治療のガイドラインなどなど、すぐ手に入り、パソコンに保存できます。教科書で調べるより、自分が必要としている知識をダイレクトにすぐ調べられるので、頭に入りやすく理解しやすいです。本当に有り難い世の中になっています。とはいえ、ひとたび、学会等に出席しますと、分子レベルの医学、医療ばかりで、医学の進歩を痛感しております。どんどん取り残されていきそうですが、頑張ってみようと思う心が生きがいにもなっているようです。また、開業して10年たったころからゴルフも出来るようになり、先輩や友達と遊べたのはいい思い出となっております。私のホームコースは御船チサンでしたが、18番ホールまでつぶさに思い出せるのはいい経験でした。ただし、悪い思い出8割強、いい思い出2割弱のようです。おととし、私に医者の勉強のやりなおしの活力を与えてくれた息子も結婚しましたが、本年7月には太宰府で初孫のお宮参りとお食い初めを行う事ができた事は大変幸せでした。生きていればこそ味わう事ができるものです。

新型コロナは心配ではありますが、2、3年後には、そういう時もあったなあと思える時が来る事を信じています。これからも、健康で有る限りは開業医として生きていくつもりですが、地域医療センターのスタッフにはいろいろお世話になる事と思います。ひとつよろしくお願いいたします。

そこで、私のRelay トークですが、水俣総合医療センター勤務時代、家族ぐるみのお付き合いをした先生たちの中から、(その息子さんたちもみなさん医者になっておりますが)8月から熊本市医師会に入られた城南町のたまのい内科クリニックの玉野井優水先生に繋げたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

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