当院について

熊本地域医療センターだより

シリーズ企画「友達の輪~Relayトーク」第4弾

前田 将臣
花畑クリニック
前田 将臣 先生

熊本地域医療センターとの関わり

 「何で俺や。文才がないけんダメて~。」「何とかお願いしますよ~。」本年1月のバスケットボールOB会で土井俊徳先生から、「友達の輪~Relayトーク第4弾」をお願いされました。彼には俺が断れないだろうという勝算があったのです。以前西部医師会の次の世話人を先輩風を吹かせて引き継いでもらったことがあるのです。文才がないので苦手なのですが、致し方なく引き受けた次第です。

 私は市役所の前、県の医師会館の真横のビルでクリニックを開業しています。旧第二外科に入局し開業などは全く考えてもみなかったのですが、運命のいたずらとでもいいましょうか、いろいろな状況が錯綜し今に至っております。(詳しい事情は知る人は良くご存知と思います)。開業して一番の問題は消化器などの専門分野以外にほとんど知識がなかったことです。外来患者さんは専門分野以外の疾患のほうが多く、中核病院への紹介は必須でした。その頃からやはり頼りになったのは地域医療センターの存在でした。元院長の八木先生や前院長の廣田先生は第二外科の先輩であり、以前からなんでも相談に乗って頂いていましたし、現在の外科の杉田先生や富安先生はバスケットボール部の後輩です。もちろん他の科の先生方も気楽にお願いできて非常に安心感があります。その中でも欠かせないのは柏原先生の存在です。彼とは中学時代からの同級生です。体育館掃除の範囲について口論になり、何故だかその時から親しく付き合うようになりました。お互いの家を行き来し、時々彼の家に泊まったりしていました。柏原先生が東京の大学に行った後は「妹のことをよろしく頼む。」と言われ相談相手になっていました。しかし、彼の妹と結婚することになった時「まさかお前に妹を嫁がせるとは思わなかった。」と複雑な表情をしていたのを思い出します。今は呼吸器関係はほとんど柏原先生に相談しており、とてもいい義兄さんを持てたと感謝しています。

 さて最近の一番大きな出来事を書かせていただきます。3月13日に親友が亡くなりました。3年前にステージ4の肺癌が発覚し、化学療法で一時はほとんど病巣がなくなるほど改善していたのですが、今年の1月下旬に再燃してしまいました。大学の同期でしかも同じバスケットボール部で、私の友人の中ではたぶん一番まじめな奴でした。大学時代はマージャンとクラブ三昧でほとんど授業に出ていなかった私にとっては、彼のノートのおかげで医者になれたといっても過言ではありません。また、入局に際しては当時から親交のあった第二外科の北野邦俊先生の自宅に連れて行き第二外科に引き込んだのも私です。医者になってからも時々説教してくれ私にとっては恩人でした。闘病中に何が一番心配か尋ねたところ「自分の患者さんと病院だ。」と答えたと、葬式の挨拶で奥様が申されておられました。最後まで私に叱咤激励をしてくれていた感じがしました。今後は彼の分まで医者として全力を尽くそうと思っております。

 次回の「友達の輪」は、第二外科の同級生北野伸浩先生にお願いしております。

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